多くの業務の中で無意識に仕事を行っていると、本来すべき事をおろそかにしてしまったり、どうでも良いようなことに時間を掛けてしまったりする事があります。
後々でも終われば良いような業務であれば別ですが、営業の場合は取るべき案件に時間を使わなかったり、低利益の取りやすい案件に使ったりすることで数値として異なった状況になってしまいます。
さて、投資判断のための指標としてNPVとIRRという指標が利用されることがありますが、この考え方は営業の優先順位の付け方のベースになることもあります。
NPV(Net Present Value)は正味現在価値と言われ、簡単に言うと将来いくら生み出すものなのかを算出して、現在いくらの価値があるものなのかを試算するものです。
つまりこの仕事を受注すると、会社にとっていくらの儲けが追加されるのかという利益の部分です。
IRR(Internal Rate of return)は内部収益率と言われ、投資に対する収益率を算出するものです。
難しく考えられますが、営業で言えば利益率のような部分です。
例えば、①3,000万円の単発仕事で利益が500万円出る業務と、②100万円の仕事で利益率50%の10ヶ月の業務となった場合には、NPVでみれば目先に入るお金が多いので①、IRRでみれば利益率が高いので②を採用することになります。
もちろん絶対的な答えはなく、企業によって選択は違うと思いますが、結果的な目先に入る利益が多い案件か、低額でも利益率が高くて長期の案件か、それだけでなく現実的に出来るのか。
投資家であれば、数値だけで判断する部分ですが、実際の企業ではこれらをベースにしながらも、それによる工数の増加や他業務への影響なども考慮していかなければなりません。
いかに効率的な業務を増やし、費やした分をしっかり成果に繋げられるかで企業の成長も変わっていきます。
また、目先の金額だけでなく、俯瞰した目線で業務の優先事項を判断していくことが重要です。