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営業を行うにあたり、受注率というのは大きな指標になります。

せっかく案件がいっぱいあっても、受注率が数パーセントでは、労力や時間が多くかかってしまいます。
業界や商品に依っても様々ですが、BtoBにおいては受注率が50%を超える商品はなかなかないものです。

しかも今では商品を模倣するスピードも上がっているので、たとえサービス開始当初は受注率が高くても、それを長期的に続ける事は非常に困難な事と言えます。

という事は、営業をやるというのは断られる(もしくは受注に至らない)可能性の方が多くあるという事実です。

初めから半分以上断られる可能性がある事を予測しながら営業するのはどうかなと思うかもしれませんが、それは事実であり、免れないと分かっていれば、心の持ちようも違いますし、以下の事を回避する事が出来ます。

①断られた際の心理的ショック
②失中時のための事前リスクヘッジ

①については性格もありますが、特に新人の頃は後に引きづってしまい、本来のパフォーマンスが出ない期間が続く事も多く、そもそもの想定を考えていれば多少は和らげる事が出来るでしょう。

②については、受注率が分かっているのであれば本来はその分だけ案件が必要なのは当然の事で、一つの案件に神頼みのように頼っている事自体が本来健全でない状態と言えるでしょう。

しかし、断られる事が続くと「成績がまずいから、今日は絶対受注に結び付けよう」と思ってしまい、サービスを提供して満足していただく事より、売上を上げる事にフォーカスしてしまいがちになります。

一番重要な点は、自社の商品で相手企業を満足させてあげられるサービスの提案を出来ていなかったという点に気付き、考えるという事です。
費用対効果も含め、他社の方が企業のために貢献出来そうな内容であったか、それとも現状維持を選んでどこも選定をしなかったか、客観的に何が原因であったかを探っていく事が大切です。

経営の視点では、数字が一番に重要ですが、本来売上や受注率などは、パフォーマンスを客観的に把握するものです。
営業の現場では、数字だけを追ったやり方ではいい結果は出せません。

数値はあくまで「自社のサービスを使ってどのような点に貢献出来たか」という積み重ねの結果と捉え、本来の目的にフォーカスして毎回提案していく事が重要です。