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中小企業がターゲットを決める際には、幅の広い業界より、数種の限られた業種に対してターゲットとする事が基本とされています。なぜなら、あれもこれもやれるほどの資源(ヒト・モノ・カネ)も限られてしまいますし、大手と比べられれば負けてしまう事が多いからです。

そのため、得意分野を尖らせてサービスを作ったり、ニッチなターゲットのみを対象とした営業活動を行っている中小ベンチャーにはうまくいった成功事例がたくさんあります。

ただ、単純に業界を絞ったり、他社にはないサービスを開発すれば成功するかといわれると、そんなに簡単な物ではありません。

具体的にどんな顧客が、どんなシチュエーションで自社のサービスを必要とするのかを考え、それに合ったサービスを提供して初めて、業界やターゲットを絞る意味が出てきます。

そのための手法の一つとして、ペルソナマーケティングというマーケティング手法があります。これは、ビジネスにおいてもっとも理想とされるたった1人(1社)の人物像、究極の理想の顧客像を明確に定義したものです。

例えば、営業代行サービスを売りたい場合、物流加工業をターゲットとしても、多大な数の企業があります。

もっと具体的にするには、「創業して15年、以前は大口顧客に支持されて会社を大きくしてきたが、リーマンショック以降は特に価格競争が激しくなり、大口顧客から価格交渉が続き、利益が出なくなっている。今までのノウハウを生かして新規開拓しなければならない、、、」といった具体的な顧客像まで想像出来れば、攻めるべき企業や誘因するためのキャッチコピーなどが自然と浮かんできます。

様々な背景のある企業すべてにアプローチするより、上記ターゲットに類似した企業にアタック出来れば、確実に受注率は向上するでしょう。

業界を絞るだけでなく、具体的な顧客像まで落とし込むペルソナマーケティングを活用し、受注率の向上を図っていく事も有効策の一つです。