58
営業活動の中には、初回の訪問もあれば、見込のありそうな企業へ複数回訪問する事があります。

PULL型営業で、顧客から招かれた場合は初回から色々な話をする事が出来るため、コミュニケーションが取りやすいのですが、PUSH型営業で、こちらから提案に行く場合には最初からすべての話を行えるのは非常に困難な事です。

企業の規模にも依りますが、初めてのセールスになんでも話す事は普通ではなかなか無い事です。
何度か足を運んだり、別の形でコミュニケーションを増やしてからようやく深いヒアリングが出来ていくのが通常のステップではないでしょうか。

PUSH型営業の場合、ニーズありきでの商談ではないため、以前はプロダクトアウト(作ったものを売る)の考え方が多く、商品の魅力をいかに伝えるかが重要でした。(もちろん今でもこの考え方はあります)

マーケットイン(顧客が望むものを作る)の思考が増えて以降は、「幅広くニーズにこたえます」と商品開発力や業務の柔軟性等をアピールするだけでなく、本当に顧客が望むものをヒアリング出来なければ良い提案は出来ない状態となってきています。

そのため、PUSH型営業本来のステップを見直し、理解したうえで営業活動を行う必要があります。

簡単にステップを整理していくと以下のようになります。
①コミュニケーションを深める
②顧客のニーズを聞く
③ニーズに合った提案をする

③を行うためには、②が必要で、そのためには①が不可欠です。しかし①はなかなか初回の訪問で深めるのは難しい事です。初めからどうやってコミュニケーションを深め、顧客のニーズを引き出せるかを考える方が効率的な営業スタイルです。

相見積もりだと言われつつ、贔屓にしていただいている顧客担当者にヒントをもらい、受注した経験がある人も多いと思いますが、これはまさにコミュニケーションが深まっている事の証拠です。

PUSH型営業の場合は、商品アピールに徹する事だけでなく、どうコミュニケーションを深めていくかを考えていく事が重要です。