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BtoBで事業を行っていると、クライアントの中でも様々なタイプが出てきます。

定常的に多くの業務を任せてくれるクライアントもいれば、繁忙期のみ依頼を頂けるクライアント、それ以外にも売上は高いが利益率が低い案件ばかりのクライアント、クレームが多いため従業員の時間を取られるクライアントもいるかもしれません。

それぞれ案件の内容も違えば、ボリュームも違いますし、ましてや求められているサービスレベルも違うのであれば、ある程度は違って当たり前です。しかし、それをただただこなして行くのであれば、効率的な運用や適正な利益率を保っていく事は難しいでしょう。

 

以前勤務していた企業で、今までにないほどのインパクトがある売上のクライアントが入ってきた事があり、多くの従業員の時間を割き、その案件に従事した事がありました。

しかし、蓋を開けてみると数字のインパクトはあるものの良く見るとその案件の営業利益は今までにないほど低かったのです。

営業利益で見るのであれば、「この案件を受けずに他の案件をいくつかこなしていた方が明らかに数字は上がっていた」と確信を得る程でした。従業員もなんのためにやっているのかと考え、モチベーションも上がりませんでした。

 

当然、経営的には利益が無くても売上を上げる事で企業の規模感を上げる事や、ビッグ案件の事例が出来る事でプラスの作用が出る事はありますが、中小ベンチャーで少しでも営業利益を伸ばしたい時は、しっかりと選択をした方が良いでしょう。

そんな際には案件毎に「一人あたり営業利益」※営業利益÷従業員数などの指標を用いれば、どの案件がいかに効率的に利益に繋げていけているか分かります。

案外クレームが多いクライアントが一番一人あたり営業利益が高かったり、定常的に行っている業務は非常に低かったりする事があります。

企業の中の大切な資源の一つである人的リソースをどのように配賦していくかは、一度クライアント毎に見直して考えていく事が重要です。