企業では売上を考えるものの、既存事業の成長に限界を感じた際には新事業を考えます。
その中には、自社のターゲット層にプラスで販売出来る商品から、全くの新たな発想の商品など考える事は様々です。しかし、商品を開発するのにも多額の投資が必要なうえ、新たにターゲットも開拓していくとなると、リスクも大きく中小ベンチャーが二の足を踏んでいるケースも少なくないと思います。
一見、新事業というとあたかも今までやった事の無い商品を新しい顧客に販売する事を考えてしまいがちですが、今ある資源(モノ=商品、ヒト=社員、情報=クライアント情報)を活かすのであれば他にも様々あります。
マーケティングの考え方で有名な「アンゾフの成長ベクトル」というフレームワークに当てはめて考えると、整理がしやすくなりますので、これに沿って考えていくと良いと思います。
既存のターゲットに新しいモノやサービスを販売するのは新商品戦略といい、例えば最近ではユニクロが衣類を中心に販売してきたのに加え、靴も販売し始めましたが、これは新商品戦略にあたります。
新しいターゲットに既存のモノやサービスを販売するのは新市場開拓戦略といい、例えばTBCは女性向けにエステサービスを提供していましたが、今ではメンズエステなど男性向けにも提供しており、これは新市場開拓戦略にあたります。
また、既存市場に既存のモノやサービスのまま、ディスカウントして顧客を増やしたり、リピートするような施策を打っていく事を市場浸透戦略と言いますが、既存市場でまだ他に何かやれる事は無いか考える際には、色々な企業の例を見るとヒントが隠れているかもしれません。
これらを参考に、まずは多角化だけを考えるのではなく、既存の資源を活用する考えて行く事が、リスクを抑えつつ効率的な新事業のヒントを得るために重要です。