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企業には、たいていは決められた利益率やサービスの範囲があります。

個人事業主や数名程度の企業であれば、範囲はあってないようなもので、その場その場で決裁者が決めているケースもあるかもしれませんが、多くの場合は決められた条件の中で勝負している事が多いと思います。

例えば、価格ではA社に負けるが、サービスでは勝っているし、B社ほどラインナップは多くないが、少し価格では勝っているなど、業界によって自社が強みを発揮出来るポジションがあります。

逆に捉えれば、ある企業に取ってみれば一番安価なA社が最適かもしれませんし、ある企業にはサービスが多様なB社が合っているかもしれません。

そのため、100%の受注率を目指そうと思っても、そもそも市場のニーズが多様な状況では、どんなにうまくサービスをアピールしても現実的には難しい事です。

以前、ある企業より「御社にお願いしたい」と数か月ぶりに突然連絡が来た事があります。その企業は以前提案した際に、他社に価格で負け、当社が2位で失注していた企業でした。

しかし、その発注先に満足出来ず、当社に切り替えたいとの事でした。
当時は失注した事で悔しい思いをしていましたが、結局は価格を下げることなく自社のポジションで受注に持って行けた事になります。

出来る範囲で提案をした後は、どの企業にするかはクライアント企業が決める事ですので、やるだけの事をやれば回答を待つしかありません。

 

営業活動とは、自社のポジションを理解し、いかにそこを求めていそうな企業に効率的にアプローチをし、提案を行っていく事だと思います。

そもそも求められていないのに、うまい謳い文句と強引な営業手法で販売するような企業もありますが、結局サービスを使って満足してもらえないのであれば、顧客は使い続ける事は無いので、販売する意味は少ないでしょう。

やれる範囲で、やれるだけの事をやり続け、企業のニーズに合うようにポジションを微調整しながら自社のサービスを研ぎ続ける事が受注率を向上させるのに最短な方法です。