顧客の求めるものを、可能な限り提供出来るように提案したものの、どうにもその溝が埋められない事があります。
1~100までを100万円のコストに抑えてほしいと言われても、1~50までが限界の場合、どのような原価構造かを開示して数値で表したところで、自社も赤字になり、顧客も目標に達しない。そういうケースは多くあります。
その場合、50~100がなぜ必要なのか、1~50まででは十分でないのかなど、そもそもの目的に立ち返り、本来の目的を達成するにはどうするかを考えていく事がお互いの溝を埋める唯一の近道となります。
例えば、転職サイトを運営している企業が、様々な転職情報をHPを作って転職を支援したい場合、いかに見やすく使いやすいHPを作るかが一つのポイントとなります。
そのため、HP制作業者には求人が見やすいようにPCだけでなく、スマホやタブレットでも見れるようにしたい、一定期間過ぎたらおすすめ情報をメルマガで配信したい、チャットですぐに顧客対応を出来るようにしたいなど、色々な要望が出てきます。
様々な機能があればあるほど便利になる可能性は高まりますが同時にコストは上がるのが当然です。
本来の目的が転職を支援したいという事であれば、メルマガだけに頼るのではなく、定期的に電話やメールを個別対応してより転職者の具体的ニーズに合った対応をしていく事などが目的を達成するためにはより近道かもしれません。
代替案があり、顧客も目的に近づくのであれば、50~100までの付加価値は時を見てまた検討しましょうと納得を得られるかもしれません。
もし要望通りに作れる業者があったとしても、50~100までがただの便利な機能にとどまってしまい、転職を支援する事にあまり繋がっていなければ、何も顧客のためになりません。
その様な視点で、依頼されたものをいかに完成させるかに主眼を置くのではなく、依頼してきた背景、すなわち目的をどのルートで達成するかの視点で提案する事が重要です。