近年ビジネスの現場では、「VUCA(ブーカ)時代」という言葉を聞くようになってきています。ウィキペディアによれば、VUCAとは「テクノロジーの進歩は急速であり予測は困難、世界の市場は不確実性や不透明性を増した状況となっており、不安定なビジネスの状況を表す」と記載されています。
具体的には、
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
の頭文字を並べたもので、簡単に言えば、将来の予測が立ちにくい世の中という事でしょう。
今までは、前年までの実績や経験値、統計値などを基に、1年単位で事業計画を立てていれば、何か予測出来ない事態が起きても、何が起きたのかをしっかりと分析し、翌年に立て直しプランを立てれば良いという事が多かったと思います。
しかし、現状では予測出来ない事態が頻繁に起こることも多く、且つその要因を特定出来ないといった事も少なくないようです。
それでは、このVUCA時代においては、計画を立てることは無駄な事でしょうか?
おそらく、計画を立てて進められる事もあれば、常に臨機応変に計画を変えていった方が良い事もあると思います。
そんな中、営業現場に置き換えてみると、以下の2つのポイントを考慮しておくとVUCA時代においても、柔軟に対応し、適応していけるのではないかと思います。
1つ目は、「データに置き換えてみる」という事です。先ほど、予測出来ない事態も頻繁に起こるため、今までのデータだけだと計画通りに行かない事も多いとお話ししました。
しかし、全ての統計や経験値が活かせないかというとそうではありません。予測不能だからと、全て行き当たりばったりな行動や、あてずっぽうな営業をしていては、今後の方向性を定める事も難しくなってしまいます。
そうではなく、市場のニーズや競合の経営状況、代替サービスの動向など様々な事を一度データで把握し、動向を見ていく事で、予測通りに行く事と、予測通りに行かない事が何か知る事が出来れば、適切な際にデータを活用し、予測を立てていく事が出来るでしょう。
2つ目は、「ボキャブラリーを多く持つ」という事です。不確実性の高い世の中では、グーグルがゲーム事業に参入したり、フェイスブックがリブラという仮想通貨事業に参入予定があるなど、思いも寄らない企業が自社の競合サービスになったりする事があります。
そのため、自社の市場の競合だけを見ていれば良い時代ではなくなりました。
どんどん新たなサービスや商品が出る世の中では、自社の市場が他の市場の代替サービスに取って代わられる可能性も少なくありません。そのためには、他の市場や成長している産業や技術、企業など、色んな点にアンテナを張り、新たなサービスの可能性を探りつつ会話のボキャブラリーを持つ事が非常に重要です。そうする事で、パートナーやクライアントに取っても必要な企業となれる可能性もあります。
どこの企業でも、古い体質で変化がなく取り残されるような企業より、新たな取り組みを進めたり、情報を多く持っている企業と付き合っていたいと思うのが当然です。
上記2つのポイントを考えつつ、予測出来ない事がある事を予め認識し、臨機応変にチャレンジをして行く事がVUCA時代を乗り切るために必要となります。予測が出来ないと悲観的になるのではなく、色々な可能性がある時代とも言えるため、しっかりとチャンスを掴み、進めていく事が重要です。