受注前の見込み顧客の訪問や、受注後の既存顧客への定期的な訪問活動は受注率の向上や、リピート率の向上(前回のvol.112でリピート率向上のための、カスタマーサクセスについて記載)のための非常に重要な活動の一つです。

受注前であれば、競合他社が電話やメールのみで営業活動をしている場合、要件のみのコミュニケーションしか取れていないとすると、優位な状態を作れる可能性があります。何故なら、訪問すれば1時間程度の打ち合わせの中で、要件以外の課題ヒアリングや今後予定している活動、その他担当者同士の個人的な共通点など、様々な点で相手企業や担当者を知ることが出来るため、今後の営業活動においても、どんな情報が相手に喜ばれるのか把握が可能です。

受注後であれば、日々提供しているサービスや商品の活用におけるフィードバックで、改善点を予め把握する事で解約防止のための提案が出来ますし、他に課題が出てくればアップセルが出来る可能性もあります。

しかし、提案側にしてみれば定期的に訪問するメリットはあっても、顧客側からすると、大した要件がなかったり、有益な情報がない場合はただ時間を取られてしまうことになるため、定期訪問においては何かしらの工夫が必要となります。

私がお手伝いをしている企業でも、営業担当が、「訪問しても改めて話す内容がなく、10分で終わってしまう」であったり、「電話で問題ないと言われ、訪問を断られた」などの理由で上手く定期訪問が出来ないケースもあります。相手の話を聞きに行くだけの、いわゆるお伺い営業だけでは相手もそこまで時間を取ってはくれません。

では、どのような工夫をして顧客とコミュニケーションを取るべきでしょうか?

一番に考えられるのは、顧客に取って有益な情報提供者となることです。顧客側は自分達の業界においてはスペシャリストですが、別の業界の事については無知な事も多く、新たな事業推進や業務改革のため、最新のトレンド情報は欲しいと思っている企業は多いものです。

例えば前回訪問した時に、「今〇〇について情報を集めている」や「■■の課題がなかなか解決出来ない」などの情報を得ていたとするとチャンスです。自社のサービスや商品で解決出来ない問題であったとしても、「調べてみたらこんなサービスがありますよ」など顧客のために少し動くだけで、「私たちの事をしっかり考えてくれている」と非常に喜ばれます。

しかし、ちょっとインターネットの記事を読んだ程度では、当然相手も知っている内容も多いので、有益な情報とまで言えない事も多いと思います。とはいえ、自分の業界以外の専門書を何冊も何冊も読むことは現実的に難しいと思います。

そこでオススメなのは、専門書を要約したサービス「flier(フライヤー)」の活用です。10分程度で読める程度に要約された専門書をインターネット上で読めるサービスですが、無料会員でも、無料枠の専門書が20冊(月間2冊変更可能)読めますし、有料会員であれば最新の専門書も含めてを月間5冊まで読むことが可能です。

例えば毎週1冊、たった10分間の投資をして新しい要約を読むだけで、年間52冊分の専門書の要約を読むことが出来ます。もっと深掘りしたい場合は別途購入して読めばいいと思いますが、52冊分の専門書の知識があれば、色々なネタを元に顧客への有益な情報提供者になれるのではないかと思います。今月はAI関連、来月は働き方についてなどテーマを決めて複数冊読めば更に知識は広がると思います。

ぜひ、定期的な訪問活動のため、情報インプットを意識してみてはいかがでしょうか。